「一地球人としての下山田吉成」のブログです。


by SIMON
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アンドルー・ワイル(Andrew Weil、1942年6月8日 - )はアメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士、臨床医、アリゾナ大学医学部教授。中国医学などの伝統医学も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すヘルスケア・システムである統合医療を提唱しています。

著書'Spontaneous Healing'(邦訳『癒す心、治る力』)や'8 Weeks to Optimum Health'(邦訳『 アンドルー・ワイル博士の医食同源』)は米国でベストセラーとなりました。


アンドルー ワイル博士はホリスティック医学の提唱者にして、先駆的実践者でもあるパイオニア的存在です。

1990年に出版されたNatural Health,Natural Medicine(邦訳『 ナチュラル メディスン』上野圭一訳 春秋社刊)から放射線被曝に関する彼の見解を引用してみたいと思います。


「電子が軌道から叩き出すほどの力をもつ電離放射線はDNAを損傷し、突然変異を起こしてがんの原因になりうる。X線・放射線・核エネルギーなどはこの電離放射線で、すべて危険なものである。医師や政府関係者は放射線の危険についての認識が遅れている。彼らは放射線の安全性を強調するが、事実は非常に危険なものだ。」

放射能に関する21年前のアメリカの状況は現在の日本と似たようなものだったようです。


「電離放射線は分裂しつつある細胞にたいして選択的に損傷をあたえる。細胞分裂がもっとも活発に起こる組織は皮膚と、臓器の表面や(たとえば腸のような)中空器官の内壁、内分泌器官の導管などを形成する、上皮組織である。表面と内壁はつねに内外の環境からくるストレスの猛攻に耐えているので、常時、組織の再生をしなければならない。細胞が分裂するときは、遺伝情報をコピーするために、らせん状になっていたDNAがほどけた状態になっている。DNAはほどけて伸びた状態になっているときに、もっとも傷つきやすい。放射線ばかりでなく、変異化学物質や細胞分裂の過程で起こる何らかの異変よっても傷がつく。ほとんどのタイプのがんが上皮細胞から生じるのは不思議ではないのだ。上皮細胞以外で細胞分裂が盛んなのは造血組織と免疫系、とくに骨髄だ。それらもまた非常にがんになりやすい部分である。」

上記の内容をもとに、今回の福島第一原発事故による放射能汚染の影響について考察するなら、呼吸器や消化器、泌尿器の上皮細胞がガン化しやすいということになります。

たとえば、肺ガン、胃ガン、肝臓ガン、大腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガンなどが起こりやすいと考えられます。また、骨髄のガンつまり骨髄性白血病に罹患する人が増える可能性も高いことがわかります。

現在環境汚染が伝えられている核種のうち、セシウム137は肺・肝臓・腎臓・骨・筋肉・生殖腺に、ヨウ素131は甲状腺に、プルトニウム239は肝臓・肺・骨・生殖腺に、アメリシウム241は肝臓・骨に、ストロンチウム90は骨に、それぞれ沈着しやすいことが知られています。

これらの核種の悪影響がしかるべき年月を経てガンという明確な形をとって私たちの眼前に姿を現すわけです。


「放射線はこのように、二段がまえで脅威をもたらす。細胞に悪性の変異を起こしてがんを発生させる一方、免疫系を損傷させて、がんにたいするからだの防衛力を弱めるのだ。しかしながら、両方とも、その影響があらわれるまでには長い時間がかかる。がんの原因としての放射線にたいする人々の認識が遅れ、その危険を軽視する人が多い理由のひとつは、原因が結果となってあらわれるまでに長い年月がかかるということがあげられるのである。」

私たち人類には、悪影響が明確な形をとって現れるまでに時間がかかるものに対する想像力が欠如しているのかもしれません。

今回の被曝によって子供たちにガンが現れるのは5年後以降で、大人は10年後以降だと言われています。

そもそも原爆投下から始まった日本人と放射能の付き合いは66年に及び、この間地球上で行われたたくさんの核実験やスリーマイル島とチェルノブイリの原発事故や、狭い国土に林立した54基もの原子炉などが環境中に排出した、大量の放射性物質の影響が現在のガン大国日本を作り上げたと言っても過言ではないでしょう。

事実、チェルノブイリ原発事故の11年後に当たる1997年からの3年間は青森県・岩手県・秋田県・山形県・茨城県・新潟県の乳ガン死者数が突出して上昇したという統計があります。(内部被曝の脅威・肥田舜太郎/鎌仲ひとみ著)

国内の原発から排出される放射性物質は大気と海を汚染し、呼吸と海産物の摂取によって体内に取り込まれてきました。

また食糧の半分以上を輸入に頼る日本は、海外の核実験や原発事故によって汚染された食糧を、ずさんなチェックで通関し食べて続けてきました。
(スリーマイル島原発事故後に輸入されたハーシーのチョコレートは高濃度に汚染されていたそうです。)
海の食物連鎖によって汚染物質が生物濃縮された海産物、特に遠洋で捕れるマグロなどを日本人は好んで食べますが、これは最も美味して最も危険な食べ物のひとつです。

海の食物連鎖の頂点にいるクジラやイルカは水銀などの重金属や放射性物質を高濃度に濃縮して持っていますので、健康のために食べるのをやめた方が良いでしょう。そうすればクジラやイルカに特別な価値を置いて日本を非難している差別主義者たちとの軋轢を避けることもできて一石二鳥だと思います。

1964年以来、中国新疆ウイグル自治区のロプノール湖は核実験場として使われ、中国政府は1996年までに核実験を45回実施し46発の核爆弾を爆発させてきましたが、そのうち1980年までに行なわれた核実験は、地下核実験ではなく地上で爆発させたのです。ロプノールでの核実験は、総爆発出力20メガトン、広島の原爆の約1,250発分に相当する爆発を起こしたそうです。被害の凄まじさは想像を絶しますが、中国政府は一切の情報開示を拒んでいます。
毎年中国から飛来する黄砂は、単なる砂ではなく危険な公害物質と放射性物質を含んでいることが判明しています。

中国野菜の農薬汚染は恐ろしいですが、それに放射能汚染も加わっているとすれば危険性は倍化します。

このように、フクシマ以前から私たちは知らされぬままにかなりの放射性物質にさらされてきたことが想像できます。

だからこんなにガン発症率やガン死亡率が高いのです。

ちょっと考えればわかることです。

「この世界」で健康な生涯をおくりたければ、政府や医師やマスメディアの言うことを鵜呑みにせず、自分自身で確かめることです。

真実は誰も教えてくれません。



下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-31 05:24 | 放射能汚染 放射線障害 食の安全
少し古いですが、ドイツZDF-Frontal21 福島原発事故、その後(日本語字幕)を紹介します。

ZDFはドイツのマイナーな放送局だと思っていたら、第2ドイツテレビ(ドイツ語: Zweites Deutsches Fernsehen)という公共放送局でした。独立非営利機関として運営されているとのこと。

すばらしい!

放射能にまみれた電力会社の金に汚染されている日本のテレビ局には逆立ちしても作れない内容です。(特に日本テレビ)

日本では政府やマスメディアがウソばかり喧伝して国民をマインドコントロールしていることを外国人が心配している、という感じが番組から伝わってきました。

福島第一原発事故をきっかけに、日本のマスメディアが垂れ流す情報や広告代理店がプロデュースするCMなどは、高濃度の放射性のカネに汚染されているということに、一刻も早く多くの国民が気づくことを願っています。


ドイツZDF-Frontal21 福島原発事故、その後(日本語字幕)
◎拡散希望!


※携帯電話では字幕が読みにくいのでパソコンで見て下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=VpdrvozDJJo



下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-24 18:28 | 放射能汚染 放射線障害 食の安全

品川宣言

下記「品川宣言」の拡散、転載を希望します。

賛同される方はどしどしメールを送って下さい。

//////////////////
9月18日に品川に有機生産者・流通業者が集まり食品や環境が今のような非常に緩い放射能暫定基準のままで良いのか、福島耶蘇の周辺の高濃度汚染地帯に人々が棄民状態に置かれていて良いのだろうか?と、話し合い、その後メーリングリストで議論を重ね、下記のような「品川宣言」をまとめました。

この宣言の趣旨に賛同して下さる方を広く募集しています。

賛同者は

団体:(市町村名)+団体名+代表名
個人:(市町村名)+フルネーム

で「賛同します!」とメールを打って下さい。
chikyuutotomoni@yahoo.co.jp

ーーーーーーーーー
「品川宣言」
2011年9月18日

私たちは、福島第一原子力発電所の事故後、国民生活への重大な影響を憂慮し、事故の終息を見守ってきました。
また、その工程にあって、わが国有数の一流企業である東京電力株式会社や政府に、国土や国民の命を第一義的に守ってほしいと願ってきました。
しかしながら私たちの期待は見事に裏切られ今日に至っています。

2011年9月18日、全国の市民・農家・水産加工・食品団体員など有志が東京都品川区南品川5-3-20、品川第二地域センター会議室に集り、今回の事故とこれまでの経過について討議しました。
そして、私たちは、今回の事故並びにその経過が、「放射能放散公害事件」であることを再確認しました。
そこには、明らかな加害者と、放射能にさられている被害者が存在しています。

しかし、事件発生より半年が経過してもなおその起因者である東京電力に、その責任を果たそうとする姿勢は見られません。

また、政府は一体だれのためにあるのか──。

ここに集った私たちは、大きな憤怒を持って次の結論に達したことを宣言します。

1.避難対象地区について

 まず、2011年3月11日発生の福島第一原子力発電所事件から半年を経過した今なお、放射線に汚染された環境下に人々が放置されていることに対して断固として抗議する。

 私たちは、「放射線管理区域」(1.3ミリシーベルト/3ヶ月)レベルの環境下にさらされているすべての住民を、直ちに安全な地区に避難させることを、放射能を放散した東京電力と政府に要求する。
 なお、ここでは避難させる義務は上記「放射線管理区域」レベルとするが、市民の側の、避難の権利の基準は、「一般公衆の線量限度」(ICRP・国際放射線防護委員会)基準の1ミリシーベルト/年以上であり、この環境下からの自主避難の権利は認められなければならない

2.棄民的措置による健康被害の責任について

 ゆえに、1ミリシーベルト/年以上の環境下に無作為に人々を留め置くことは、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予備行為にも他ならない。
 上記環境下にたとえ一時期であったとしても置かれた福島県民をはじめとする人々に今後発生する健康被害については、東京電力並びに政府の責任であることを宣言する。

3.避難に関する費用について

 避難に関する一切の費用は東京電力が負担すること、すでに自主避難している場合にも請求権は認められること、その上で、避難先は避難すべき当事者の希望に添うこと、以上の権利を担保する。
 また、従来からの地域コミュニティーの避難先での維持など、具体的な避難誘導等については、国・地方公共団体が参加する公共事業体によって、避難者の立場にたって進められるべきであり、かりにも私企業を参入させ、利益優先・経費出し惜しみを許してはならない。

4.「生業」(なりわい)を破壊された住民被害について

 特に一次産業者は、その生業が農地や漁場と不可分であり、農業者にあっては農地や山林、水利権等、漁業者にあっては漁港や漁場、漁業権等の確保が可能であることを前提に、北海道、中・西日本などの汚染されていない土地を避難移住先に選定する必要がある。
 その上で各避難者の生活再建に関する一切の費用も東京電力により補償されなければならない。

5.自営産業者に対する賠償について

 一大食料生産地帯を放射能で汚染した東京電力の責任は重大である。
 避難する自営業者の一切の避難移転費用と、生産休止期間と生産が再開したのちも事業が福島第一原子力発電所事件以前の所得水準に戻るまでの期間の損害を賠償しなければならない。
 それは、例えば、酪農・畜産業及び水産養殖業においては、生産、出荷が可能になるまでの家畜の飼育経費等、魚介類や海藻の養殖経費等、また、その間の生産者の生活費用等の一切の費用のことをいう。

6.すべての賠償・補償について

 東京電力が負うべき移転費用、生活再建費用、損害賠償費等必要な支払いについては、速やかに行わなければならない。
支払いについては、定める支払義務発生日を越えた日数に応じて延滞遅延金年10%(電気料金遅延金と同率)を上乗せされなければならないのは当然のことである。

7.高汚染地区の農地回復に従事しようとする者について

 放射線リスクが適度に 低いと考えられる年齢の農業者が、高汚染地区に立ち戻って農地回復を希望する場合、当該の地は相当程度の人口密度の希薄化が考えられ、また、放射線曝露を最小限度にとどめるために、清浄な飲食物の配給とその他の行政・医療サービスの供給は続けられなければならない。
 放射性物質除去のための菜種・アカザ・牧草類などを含む生産物は、当面低レベル放射性物質であるから、東京電力によって適正な生産者価格で買い取り補償されなければならない。
 東京電力は補償買い取りした生産物を厳重管理し、市場に環流させてはならない。

8.食品暫定基準値について

現行の食品「暫定基準値」はなんら正当な根拠を持たない。
私たちは決して容認できるものではない。
暫定基準値は当該汚染地区からの避難が完了するまでの間、飢え死にすることを防ぐための緊急避難的な数値である。
当該汚染地区外にまで 適用することや、既に半年を経過した今も「暫定」期間とすることには無理がある。
いたずらに引き延ばすことは許されない。
また、この緩い暫定基準値こそが、汚染農水産物やその加工食品を生産し、拡散させる原因となっており、直ちに暫定基準値は撤廃されなければならない。
私たちは、すべての国民に、暫定基準値を適用しようとすることが無意味・無効であることを宣言する。

9.外部被ばくと内部被ばくの積算について

私たちが受ける放射線量は体内に摂取される飲料・食品・呼吸吸入されるダストなど、いわゆる内部被ばくと外部被ばく線量の総量と理解されるべきである。
食品などの暫定基準値は年間摂取量を計算して、年1ミリシーベルトから空間放射線量を減じた数値以内に設定されるのは自明のことである。
現行の500ベクレル/kgと200ベクレル/kgの暫定基準では、年間17ミリシーベルト~22ミリシーベルトに積算されるとの見解があり、撤回されたはずの20ミリシーベルト/年基準に対応するものであり、認められない。
(例えばドイツ放射線防御協会による「日本への提言」では、0.3ミリシーベルト/年を基準に食品を「大人8ベクレル/kg、 子ども4ベクレル/kg」としている。)

10.汚染された農水産物について

少しでも放射能に汚染された農水産物を「放射能汚染農水産物」と呼び、「低レベル放射性廃棄物」のひとつとする。
低レベル放射性廃棄物は、発生原因者東京電力によって回収され再度の環境汚染を防止するため密閉処理・管理されなければならない。
その場合、東京電力は、放射能汚染農水産物を適正な生産者価格で買い取り補償しなければならない。

11.他者に汚染を拡大しない義務と責任について

線量の大小にかかわらず放射能汚染農水産物が生じたとき、あるいは放射能汚染農水産物が生じるおそれのあるとき、生産者は自らの判断で生産を中止する「食べ物」生産者としての責任を持つ。
福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染被害物のすべて、および、汚染が予測されての生産休止による操業損害は、東京電力が損害賠償しなければならない。

12.販売供給者の義務と責任について

福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染農水産物とその加工食品は、販売供給されてはならない。
その線量の大小にかかわらず、低レベル放射性廃棄物は、市民に対する加害物質であり、その供給は、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予備行為に他ならない。

13.汚染された農水産物や瓦礫の拡散について

農水産物に限らず、放射能汚染された瓦礫・土壌などの移動は汚染の拡散であり、一切認められない。
すでに福島第一原子力発電所敷地外へ放散された放射性物質及びその付着物は発生原因事業者東京電力の責任で回収されるべきである。
上記瓦礫をはじめ、表土や上下水汚泥、焼却灰・スラッジ・腐葉土・堆肥等は、放射性廃棄物として回収され、発生地である福島第一原子力発電所敷地内に戻され、再度の汚染原因にならないように密閉処理・管理されなければならない。

14. 放射能汚染農水産物の産地偽装や希釈的な拡散について

さらに、市民の正常な判断を妨げる産地ロンダリングは禁止されなければならない。
東日本の産地県の生乳を、地域を越えて運搬し、遠方府県乳業工場で産地県を明かさずに製造販売していることが、名神自動車道滋賀県内瀬田での生乳タンクローリー車横転事故ではからずも発覚した。
また、東北地方太平洋岸漁場で捕獲された水産物を静岡県や三重県などの遠隔県漁港で水揚げする、という例もある。
正当性のない暫定基準値であればこそ、放射能に汚染された食品を家族に食べさせたくない、食べたくないとする市民が、食品危険度の判断をするために、産地は正確に表示されなければならない。

15.汚染数値の公開について

当然、現行「暫定基準値」以下の汚染数値も、1桁ベクレルまですべて公表されなければならない。
地方自治体などの公共団体による測定は、ゲルマニウム半導体検出機などを使用し、精緻な検出レベルを保証しなければならない。
また、その検出の必要性が今回の福島第一原発の放射性物質に起因する場合、その検出検査料金は東京電力に請求されるべきであり、市民・生産者・取扱い販売者に負担させてはならない。


以上のことを私たちは真剣に討議し、ここに宣言することにしました。
これらは決して難しいことではなく、子どもや子どもを守りたい 大人には、とても明快なことです。
今回の福島原発事故の問題は、本当は意外にシンプルです。
永遠に未熟な技術を振り回し、多くの人々を傷つけ、生命の危険にまで追いやっています。
まだそれは目に見える形では現れていないかも知れませんが、やがては誰もが知ることになるでしょう。

原子力に関わる人達が小賢しい理屈で問題を複雑にすり替え、当然にとらなければならない責任を有耶無耶にしようとしているだけなのです。

私たちは、今もっとも危険なところにいる人々に、「早く逃げろ!」と大声で叫びたいのです。
その危険にさらされている人々を一番に助けなければならない者たちが、他人事のように傍観していることが許せないのです。

そして、さらに私たち自身もまた、放射性物質で汚染させた農水産物を生産してしまったり、それを他人様に間違って食べさせてしまったりすることを恐れているのです。

そのような意味で、福島第一原発から放散された放射性物質への重い不安感は、人々すべてに分かちあわれてしまっています。

さて、私たちはこの宣言を踏まえて、「3.11福島原発放射能放散事件」から人々の「いのち」を守る「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」を結成し、人々の「いのち」と「たべもの」の安全を守るためのあらゆる提言、運動を行うことを確認しました。
すべての市民の皆様に、私たちの「ネットワーク」への連帯とご賛同をお願いします。

以上

「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」(準)
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by asiakatasumi11 | 2011-10-17 14:39 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新

浜岡原発停止訴訟

◎浜岡原発のリスク

静岡県御前崎市にある浜岡原発は、日本に存在する原発の中で最も危険な立地条件を持つ、巨大な時限爆弾です。

日本列島が乗っているユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが年間3~6cmの移動速度でもぐりこんでいくプレート境界は100~150年に1度、数千kmのプレートが数メートル跳ね返るマグニチュード8前後のいわゆる東海地震を起こしてきた地震の巣です。

そのプレート境界面は、こともあろうに浜岡原発の直下10~20kmにあることが判明しています

東海地震が最後に起きた1854年12月23日から既に157年が過ぎようとしている現在、次の地震に関して時期的には満期に達しています。

ユーラシアプレートにフィリピン海プレートがもぐりこんだ深い谷間(駿河湾・南海トラフ)では、東海地震・東南海地震・南海地震は周期的かつ同時あるいは互いに近接した時期に連動して発生してきたことが知られていますが、1944年12月7日に東南海地震が、約2年後の1946年12月21日に南海地震が起きたにもかかわらず、東海地震の震源地である駿河湾トラフは沈黙を守りました。
近年の調査で、東海地震の震源域でユーラシアプレートにもぐりこんでゆくフィリピン海プレート上に海嶺(かいれい)と呼ばれる「こぶ」がプレート境界面に引っかかっているのが見つかっており、これが原因で東海地震は起きなかったのではないかと言われています。
この「こぶ」の引っかかりがとれた時に東海地震が発生するということになると、海底で発生するわけですから陸地の観測網では直前予知ができません。しかも157年分のストレスを溜め込んでいるため、大地震になる可能性が高いと予想されます。


◎アメリカの恐れ

菅直人前首相は、福島第一原発事故に関していくつもの重大な判断ミスを犯しましたが、浜岡原発を停止させたことだけは評価したいと思います。

ただしこれは言われているような英断ではなく、もし浜岡原発が福島第一原発のような事故を起こせば、横須賀を母港とする米軍・第七艦隊(東経160度線以西の中東地域を除く西太平洋・インド洋を担当海域とするアメリカ海軍最大の艦隊)が機能障害に陥る可能性が高いことをアメリカ政府が恐れて、日本政府に圧力をかけたためだと言われています。


◎浜岡原発停止の効果

原子炉内の核分裂が止まれば、炉内にある放射性物質の量は1ヶ月で約10分の1、4ヶ月で約1000分の1になると考えられるので、半年以上経てば地震で電源を喪失して冷却不能になっても大丈夫だと武田邦彦氏は言っています。

浜岡原発は停止しましたが、原子炉が冷温停止の状態になっても燃料貯蔵プールにある核燃料は今後も熱を出し続けるため、3~5年ほどは冷却をつづける必要があります。

福島第一原発では、定期検査で停止していた4号機の燃料貯蔵プールの水温が上昇し建屋が爆発しました。津波で全電源を喪失し、冷却水を循環させる装置が停止したことが原因とされています。



◎湖西市長「福島見て脱原発決意」 浜岡停止訴訟初弁論
10月13日 11:37

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110130378.html?s=a1

 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)をめぐり、県内の住民や弁護士ら34人が、中部電を相手に、運転終了と核燃料の安全な保管などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、静岡地裁であった。中部電は請求の棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。
 口頭弁論では、原告を代表して静岡県湖西市の三上元・市長が「福島の災害を見て、脱原発の運動をする決心をした。万全の対策が取られており大丈夫とされてきたが、そうではなかった」などと意見陳述した。
 原告でもある鈴木敏弘弁護団長は、同原発の運転差し止めを求めた別の訴訟で、2007年の同地裁判決が「複数同時故障を想定する必要はない」と請求を棄却したことを指摘。福島第一原発事故は「判決の間違いを証明した。同じ過ちを二度と繰り返してはならない」と訴えた。
■朝日新聞社

(転載終了)


湖西市長が中部電力に浜岡原発の運転終了を求める訴訟の原告団に加わっているというのは、原発近隣自治体の首長として道理と倫理に基づいた立派な、そして当然の振る舞いだと思います。全国の原発立地自治体及び近隣自治体の首長は、住民の生活や健康を長期的かつ根本的に損なうリスクを持つ原子力産業を終焉させなければ、肯定的な未来は存在しないことに今こそ気づくべきではないでしょうか。

これまで原発問題の本質を知らない日本の裁判官たちは、東大教授などの御用学者を擁する原子力村が主張する「科学的常識」に沿って「複数同時故障を想定する必要はない」などと馬鹿げた判決を下してきました。本当に無知と恥を知るべきです。江戸時代なら当然切腹ものですが、個人の義務と責任が問われない時代の官僚・政治家・裁判官などは本当にチャラい商売です。判断を誤って結果的に多くの国民が被曝死しても個人的な責任をとる必要がないのですから…。
取り返しのつかない間違いを犯しても、「当時の常識に照らし合わせて最善を尽くしており、現状は予測できなかった。」などという免責用の逃げ道があらかじめ用意してあるのです。こんな体制側だけを利する無責任でインチキな仕組みはもう必要ありません。

私の個人的な裁定では、福島第一原発事故に関して少なくとも20人以上の関係者が実刑判決を受けることにならなければ日本は「法治国家」ではなく、責任と悪を放置する「放置国家」ということになります。
20人の中には東電の勝俣会長や清水前社長、菅前首相、中曽根元首相などが当然含まれています。

過去の誤った認識に基づいた判決の後で福島第一原発事故が起きたわけですから、その償いと贖いのためにも裁判所には三権分立の本当の姿を示して欲しいものです。
もしそうでなければ裁判所や裁判官に「法の精神」は存在せず、政府や電力会社と癒着していると見なされても仕方ないでしょう。

モンテスキューは、自発的に私利よりも公益を優先する「徳」こそが共和制の底流に存在する基本原理であると説いています。

静岡地方裁判所と当該訴訟の担当裁判官にその「徳」を理解する能力があるか否かによって、この裁判の行方が決定されると言っても過言ではありません。


下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-15 22:34 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新

各地で放射能汚染続出

公表されているいくつかの放射能汚染地図などから考えてご紹介するニュースが伝える事実は至極当然のことですが、その先にある重要な事柄を示唆しています。

どんな理屈をこねても放射能汚染という現実の前では、ダメなものはダメだということを理解する必要があります。

私たちが住んでいる日本で放射能の生涯積算値的に安全だと考えられる場所は非常に限られていますが、それすらもぶち壊す、汚染された農産物や海産物の暫定基準値による相次ぐ出荷規制解除の結果、日本らしいと言えば日本らしいのですが、「放射能はみんなで分かち合う」方向に力強く邁進していることは間違いありません。

◎茨城産シイタケから基準超セシウム 小美玉・土浦
10月12日 20:32

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110120691.html?s=a1
(転載開始)

 茨城県林政課は12日、小美玉市の露地栽培と土浦市のハウス栽培の原木シイタケから基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。小美玉市は890ベクレル、土浦市では510ベクレル。県は、安全性が確認されるまで出荷と販売を自粛するよう両市に要請した。
 茨城県ではこれまでに、鉾田市のハウス栽培の原木シイタケからも990ベクレルのセシウムが検出された。
■朝日新聞社

(転載終了)

25年前に起きたチェルノブイリ原発事故の際に約8000km離れた日本に飛来した放射性物質を、食品の計測を通して調査した方によると、当時牛乳と椎茸は他の食品に比して有意に高い数値を示したとのことです。
キノコ類は放射性物質を吸収しやすい傾向があるので、野生・栽培を問わず気をつけなければならない品目のひとつです。
当初ハウス栽培のシイタケは比較的安全だと考えられていましたが、計測値は希望的観測を打ち破っています。
また東北地方と関東地方の山間部が広く汚染されたことから、今後は汚染されていないシイタケ栽培に使う原木(ホダ木)の入手が困難になることが予想されますので、非常に残念ですが東北地方や関東地方のシイタケは、例外を除いて概ね危険な食品と考えた方が良さそうです。

シイタケを天日に干して乾燥させれば大丈夫だと言っている人がいるようですが、客観的な計測データによって裏付けられない限り信じることはできません。


◎新潟、県境・北部に高いセシウム蓄積 汚染マップ公表
10月12日 21:31
 
http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110120715.html?s=a1
(転載開始)

東京電力福島第一原発事故による放射能汚染をめぐり、文部科学省は12日、航空機で測定した放射性セシウムの蓄積量について新潟県と秋田県の汚染マップを公表した。新潟県では福島県境や北部などに比較的、高い蓄積の地域があった。
 8月30日から9月28日にかけて、ヘリコプターで両県上空から高感度の検出器で地表から出る放射線を測った。実際に地上で土壌も調べ蓄積量を割り出した。原発から出た放射性物質が風で流れ、雨や雪と共に地上に落ちたとみられる。
 放射性物質量が半分になる半減期はセシウム134が2年で同137は30年。長く影響が出る137の土壌の蓄積量をみると、新潟県で高かったのは魚沼市や阿賀町の一部のほか、北部の関川村、村上市などにまたがり、1平方メートルあたり3万~6万ベクレルにのぼった。
 3万~6万ベクレルと測定された地点はすべて、被曝(ひばく)量にすると年間1ミリシーベルト(毎時0.2~0.5マイクロシーベルト)を超える推計で、環境省が検討している除染支援の対象に入る。
 チェルノブイリ事故では3万7千ベクレル以上が「汚染地域」とされ、55万ベクレル以上が強制避難の対象になった。
 秋田県では、セシウム137の蓄積量が最も多かったのは湯沢市南部や秋田市東部などの一部。高いところで、1平方メートルあたり2万ベクレルほどで、放射線量もほぼ毎時0.1マイクロシーベルト台だった。このほかの多くは0.1マイクロシーベルト以下。文科省は深刻な汚染の広がりは認められないという。
 セシウムの測定は22都県で実施する計画。今回で12都県が公表された。
■朝日新聞社

(転載終了)

これで魚沼のコシヒカリは汚染米の仲間入りが確実となりました。秋田の線量はそれほど高くないと書いてありますが、セシウムだけの計測データですから「何をか言わんや」です。秋田小町も危ういです。
奥羽山脈・越後山脈・三国山脈などがバリアーとなって、ある程度汚染を防いだとはいえ、山から流れてくる清水が美味い米を作る必須要素ですので、除染が難しい山間部の水源地帯はこれから長期間にわたって放射性物質を平野部に供給し続けることでしょう。米どころを放射能で汚染するのは犯罪行為です。


◎東京・世田谷で高線量 2.7マイクロシーベルト
10月12日 22:26

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110120735.html?s=a1

すわっと思いきや、これには続報があって、意外なオチが待っていました。

◎世田谷の放射性物質、夜光塗料か 文科省、運び出しへ
10月14日 14:46
http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110140594.html?s=a1
(転載開始)

 東京都世田谷区の民家で見つかった放射性物質「ラジウム226」について、文部科学省は14日午後にも運び出し、廃棄物業者の施設で保管する。ラジウム226は、医療用や夜光塗料などに使われていたと考えられ、原発事故で放出されたセシウムも検出されず、事故によるものではないと断定した。 文科省によると、瓶は民家の床下の箱の中に入っており、時計の文字盤などの夜光塗料として使われていたものの可能性が高い。13日に放射線を遮る鉛の容器に入れ、民家の敷地内で保管していた。
 瓶の近くの放射線量は、毎時600マイクロシーベルトで、1メートル離れた場所では毎時20マイクロシーベルト。隣家の放射線量は通常時の範囲内だった。歩道で高い線量が検出されたが、文科省は「往来だけなら、年間の被曝(ひばく)量は1ミリシーベルト以下と考えられ、心配する状況にはない」としている。
 民家に2月まで1人で住んでいた女性に放射線障害はみられず、10年ほど前に亡くなった夫は放射線を扱う仕事ではなかった。
 一定の量と濃度を超えるラジウムは、放射線障害防止法の規制対象となる。しかし、家主は何十年も存在を知らなかったとみられ、文科省は所持制限違反で告発する考えはないという。
 中川正春文科相は14日の閣議後会見で、各地で今後ホットスポットが見つかることが想定されるとして、「自治体や市民団体とも連携し、すみやかに対応できる態勢を作っていきたい」と話した。
■朝日新聞社

(転載終了)

原発事故由来の放射線ではなかったようですが、この事件を通して明らかになったように時計の文字盤などの夜光塗料にラジウムが使われているということは、法定基準値以下の低い線量だとしても、放射性物質や放射線が私たちの生活の中に何らかの様態で存在していることを物語っています。このことについては後日稿を改めて詳しく書くつもりです。


◎船橋の公園で5.82マイクロシーベルト
10月13日 11:44
http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110130386.html?s=a1
(転載開始)

 千葉県船橋市の総合公園「ふなばしアンデルセン公園」の一角を市民グループが調べたところ、毎時5.82マイクロシーベルトの放射線量が検出された。市は13日、検出場所の周囲を立ち入り禁止にし、確認のため放射線量を測定する。2階建ての施設の雨どいを伝って雨水が落ちる地面から高さ1センチの地点で、入場者が立ち入るところではないという。
■朝日新聞社

(転載終了)


雨水が集まる所の線量は高いのが一般的ですが、それにしても5.82μsv/hは高い数値です。しかもこれがγ線だけの計測値だとすれば、α線とβ線を合計した総線量はどのくらいになるのか想像しただけでも怖いです。
船橋市の各地の汚染状況をもっとよく調べた方がよいのではないでしょうか。
ドジョウ総理のお膝元でもあることですし。

雨水が集まる所の線量が高いということは、放射性物質が水に運ばれて川や湖・ダムなどに流れ込むことを意味しています。
つまり水田には放射性物質が降下するのに加えて、農業用水を通しても流入するため、畑よりも汚染がひどいという実態を知る必要があります。
そして、陸地に降り注いだ放射性物質は河川によって最終的に海に集まり、汚染が濃縮された海産物を介して私たちの体に入ってくるという事実をリアルに想像してみて下さい。

日本人の主食でありソウルフードとも言える米と海産物が放射性物質に汚染されてしまった現実は、非常に暗い日本の未来を予想させます。


下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-14 17:10 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新

ストロンチウム登場

横浜市で福島市内の計測値の2倍以上にあたる高濃度のストロンチウム90が検出されました。

横浜市は当初ストロンチウムは「重いので飛んでこない。費用も高い」と検査をしようとしなかったそうですが、しっかり飛んで来ていたようです。

◎横浜でストロンチウム検出 100キロ圏外では初
10月12日 03:34

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110120281.html?s=a1

(転載開始)
 横浜市港北区のマンション屋上の堆積(たいせき)物から、195ベクレル(1キロあたり)のストロンチウムを、民間の分析機関が検出した。東京電力福島第一原発事故で放出されたとみられ、結果の報告を受けた横浜市は、再検査を始めた。
 検出されたのはストロンチウム90(半減期約30年)。文部科学省の調査では福島県内や宮城県南部など福島第一原発から100キロ圏内で検出されているが、約250キロ離れた横浜市内では初めて。
 場所は築7年の5階建てマンション屋上。7月、溝にたまった堆積物を住民が採取し、横浜市鶴見区の分析機関「同位体研究所」で測定した。放射性物質が蓄積しやすい条件とみられるため単純に比較できないが、4~5月に福島市内の土壌から検出された77ベクレルと比べても高い値だ。
 同じ堆積物からは6万3434ベクレル(1キロあたり)のセシウムも検出。私有地であることを理由に公表していないが、市衛生研究所でのセシウムの再検査でも、同じ堆積物から10万5600ベクレルが検出された。
 市は当初、「重いので飛んでこない。費用も高い」とストロンチウムの検査には後ろ向きだったが、10月上旬、屋上の分に加えマンション周辺の側溝の堆積物などを同位体研究所に持ち込み、検査を依頼した。市は「高い値だったので再検査を決めた。結果を見て対応を決めたい」としている。
 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんは「ストロンチウムが離れた場所に飛ぶのは分かっていた。原発事故に伴い、横浜で検出されても不思議ではない。値は高いが、高濃度のセシウムが出ている場所なら納得できる。濃縮されたのだろう」と話している。
 ストロンチウムは化学的な性質がカルシウムに似ていて水に溶けやすく、骨にたまりやすい。(佐藤善一)
■朝日新聞社

(転載終了)


「重いので飛んでこない」はずのプルトニウムも検査した方が良いのではないでしょうか。プルトニウムはホットパーティクルと呼ばれる大腸菌並みの微粒子となってかなり遠方まで到達することが知られています。既にハワイやシアトルで検出されたという報告例があります。


原発事故が起きた場合は、健康に重大な悪影響がある核種を優先的に調べるのが当然であるはずなのに、日本政府は福島第一原発事故直後にプルトニウムとウランを水道水の検査対象から真っ先に外すという暴挙にでました。
おそらく優秀な脚本家的人物(たぶん官僚)が政府の中枢にいるのでしょう。
このことは前から繰り返し書いていますが、国民が放射能汚染に慣れた頃合いを見計らって「実は」と、アブナい核種による汚染の事実を小出しに発表するという見え透いた手口なのです。でも今の日本人に対しては何度でも何十回でも、きっと永遠にでも通用するスタンダードな戦略なのでしょう。実際にこの方法論は大昔からずっと成功しています。ここまでバカにされているのに気付かないようでは、今後日本人が生き残ることは難しいかもしれません。

予測されるシナリオによれば、プルトニウムやウラン、アメリシウムなど毒性が強い横綱級の核種による汚染が公表されるのは一番最後です。大相撲と同じで弱いものが先に、強いものが後から登場するのです。なぜなら原子力政策は大相撲と同じ八百長だからです。

大関クラスのストロンチウムが登場したことで、プルトニウム汚染の発表が近づいたのは事実ですが、発表された時にはほとんど全てが手遅れでしょう。

今回横浜市でストロンチウム90が検出されたということは、少なくとも東北から関東までは相当量のフォールアウト(降下)があったということです。つまり、これまで私たちが摂取してきた飲食物もストロンチウム90で汚染されていたわけです。

ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が似ているため、体がカルシウムと間違えて骨に蓄積することがわかっています。特に土壌中のカルシウムが比較的少ない日本では、食生活においてカルシウムが不足しがちな背景があるため、ストロンチウムを取り込みやすい状況にあります。その結果、骨ガンや白血病が多発する可能性が高いと考えられています。

「重いので飛んでこない。費用も高い」などという信じられないくらい無知で非人間的な理由、あるいは確信犯的な故意によって検査を実施してこなかったためにわかっていないだけで、現在流通している食料や飲料水(ストロンチウムは水に溶けやすい)にもストロンチウム90が間違いなく含有されています。
しかも体内に入ると血液に溶けてしまうため、ホールボディカウンターでは検出できないそうです。

したがって何度も言うように、このような状況下で福島県や宮城県の米が放射性セシウムに関して500ベクレル/kg以下だから安全だと言って合法的に出荷させるのは、よほど低能かほとんど気が狂っている人間の仕業としか言いようのない凄まじい罪過だということを認識する必要があります。
(このことについての詳しい説明は、10月2日に投稿した「暫定基準値の正体・宮城県産米も危険です」をご覧下さい。)

◎福島知事、県産米「安全宣言」 二本松産一部は買い上げ
10月13日 01:32

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110130048.html?s=a1

(転載開始)

 コメの放射性物質検査を進めていた福島県は12日、今年の県産米の検査を終え、すべてで放射性セシウムが国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を下回ったと正式に発表した。これでコメを作付けしている全48市町村で出荷が可能になり、佐藤雄平知事は「安全宣言」をした。

(転載終了)

あれだけ濃厚な放射性物質を大量に放出して福島県中を汚染したのに、米が大丈夫であるはずがないでしょう。どうしてわからないのかとても不思議です。海外ではこの有り様を、イソップ寓話を見るように眺めているのではないでしょうか。
そのくらい日本人が愚かで哀しい生き物に成り下がっていたことを、原発事故を通じてはっきりと実感しました。

皆さんが飲食している水・穀物・野菜・魚・肉・卵・牛乳などにはこれまでも、そして今現在も、放射性セシウムだけでなくストロンチウム90が確実に含まれています。どのくらい含まれているかは検査してみないことにはわかりません。計測もしないで「安全」だと主張する人には、誠意と科学性のかけらもないことを理解しましょう。

そして、悪徳政府の定めた基準値や愚かな知事の安全宣言などに惑わされず、放射能汚染とその他の化学的汚染(農薬や公害物質・食品添加物などの環境ホルモン)のできるだけ少ない、素性のはっきりした清らかで生命力に溢れた食物を入手するように心がけましょう。
それが生き残るために必要な、動かしようのない条件のひとつです。



下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-13 12:11 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新

東海村ラプソディ

日本で最初に商業用原子力発電所が建設された茨城県東海村の村長が、原発立地市町村の首長として初めて脱原発へ舵を切ろうと奮闘しています。


◎東海第二原発の廃炉を提案 地元村長が細野担当相に
10月11日 19:42

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110110451.html?s=a1

(引用開始)

 茨城県東海村の村上達也村長は11日、細野豪志原発担当相と面会し、村内にある日本原子力発電東海第二原子力発電所の廃炉を提案した。同原発は、東日本大震災で被災し、停止している。
 村上村長は廃炉を主張する理由として、東海第二原発の半径30キロ内に100万人が住むことや、東京から110キロしか離れていないことを指摘。「福島と違って一帯は人口密集地であるだけに、20キロ圏内の75万人が避難できる場所はなく、避難計画はつくれない。原発の立地条件として不適切だ」と説明した。運転開始から32年が経過し老朽化していることも挙げた。
 村上村長によると、細野原発担当相は「具体的で貴重な意見をいただいた」などと答えたという。
 村上村長は大震災後、村民が参加する会合などで、「人に冷たく無能な国は原発など持つべきでない」などと述べ、「脱原発」の姿勢を鮮明にしている。

■朝日新聞社

(引用終了)


また日本の原子力産業が初めて死亡事故を起こした1999年のJCO臨界事故から12年となる9月30日、臨時朝礼において職員に伝説的な訓示を垂れました。

◎臨界事故12年 茨城・東海村長「金のために魂を売ってはならぬ」
2011.9.30 13:52
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110930/dst11093013550014-n1.htm

(引用開始)

 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故から12年となる30日、同村の村上達也村長は職員に向けた臨時朝礼で「原子力に向き合う以上は姿勢をただし、金のために魂を売ってはならぬ。このことを改めて思った」と話し、“脱原発”の姿勢を鮮明にした。
 村上村長は東京電力福島第1原発事故への国の対応の不備について「人に冷たく、かつ無能な国では原発を持つべきでない。その資格はないと考えるに至った」と痛烈に批判。「村民と東海村の将来を思うと、曖昧な妥協は許されない。日本初の住民避難を引き起こしたJCO臨界事故を体験したものとしての今の心情だ」と述べた。
 ただ、村上村長は「原子力全てをノーと言っているわけではない。21世紀型の科学技術研究に力点を置いた新しい原子力センターを目指す構想は原発事故を経験してますます重要であると考えている」として、原子力に関する学術研究は推進していく姿勢を示した。
 臨界事故は平成11年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、住民ら約660人が被曝(ひばく)した。

産経ニュース

(引用終了)


この時に放出された放射能の影響か、福島第一原発事故後に計測された東海村の原子力施設付近の放射線量は茨城県の中でもずば抜けて高い(地表線量0.74μsv・空間線量0.51μsv)という情報があります。(週刊現代 2011年7/9号P42~43)


3月11日の東日本大震災によって起きた津波は、東北地方だけでなく茨城県の海岸にも押し寄せました。その影響で東海第二原発は福島第一原発と同様の危機にさらされていたことが4月19日に報道されていますが、知らない方が多いようです。
実はとんでもなくヤバい状況だったのです。

◎あわや全電源喪失…津波「想定」ぎりぎり 

http://mytown.asahi.com/areanews/ibaraki/TKY201104190562.html#cnt


◎以下「東海第二発電所 - Wikipedia」から転載

東北地方太平洋沖地震
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震により、原子炉が自動停止した。常用の外部電源も停止したことから、非常用ディーゼル発電機3台を起動して運転に必要な電源を確保したが、津波によってディーゼル発電機用海水ポンプが故障したため、残るディーゼル発電機2台で原子炉冷却に必要な電源を確保した。その後外部予備電源が回復し、3月15日0時40分(JST)に原子炉水温度が100℃未満の冷温停止状態となったことを確認した。その間は注水と、水蒸気を逃がすための弁操作の綱渡り的な繰り返しで、冷温停止までにかかった時間も通常の2倍以上であった。
しかし、高さ6.1m(想定津波5.7m)の防波壁に到達した津波の高さは5.4mで、工事中のため防波壁には穴が開いていた。その穴から入った海水によって、全3台の海水ポンプが水没(2台は水深が低かったため稼動)し、非常用ディーゼル発電機1台も停止した。原子炉は冷却し続けられたが、もう少し波が高かったら、全ての電源が潰滅し、福島第一原発と同じ状態になっていたという。
日本原電は、「(冷却機能が全て失われた)福島第一の事態になった可能性は否定できない」と述べている。

(中略)

なお2006年に国の耐震指針が改定され、2007年7月の柏崎沖地震(柏崎刈羽原発が被災した)直後に茨城県が2007年10月に出した「津波浸水想定」に基づき、東海第二発電所では対策を実施。冷却用海水ポンプを守るため、従来あった3.3mの防護壁に加えて、側面にも2.8mの壁を設けた。津波は5mと福島第一原発の半分以下だったこともあるが、ポンプや電源は一部浸水したものの、冷却を継続できた。津波対策を講じなかった福島第一原発とは明暗を分けた。

(転載終了)



津波があと70cm高かったら、(工事はまだ終わっていなかったが)そもそも防護壁を高くしておかなかったら…東海第二原発は全電力が停止し、ポンプも水没して冷却機能が失われ、福島第一原発と同じようにメルトダウン~爆発~メルトスルーという破滅的な末路をたどったに違いありません。

もし東海第二原発(110万KW)が福島第一原発レベルの大事故を起こしていたら、30km圏内に100万人が暮らし、東京まで僅か110kmという立地条件から想定すると、これだけで福島第一原発より大きなダメージを国家に与えたであろうことは想像に難くありません。そこに福島からの放射能汚染が加われば、日本という国が実質的に「終わっていた」可能性は非常に高いと思われます。

この時の恐怖を村上村長はNHKのインタビューで「寒気がした。背筋がぞうっとした。東海第二(原発)が、あと40cmで水中ポンプの発電機が水没するというのを聞いた時。」と生々しく語っています。

たった70cmの津波の高低差で、僅か40cmの浸水の深浅の違いで、日本は破滅を免れたと言っても過言ではありません。

東海第二原発から北へ約30km、福島第一原発から南へ約80kmの地点に私の生家があり、その町は高萩市と呼ばれています。
私が20才の時にチェルノブイリ原発事故が起きてから原発問題について考えるようになり、神戸の震災の後から「地震」によって「原発事故」が惹起される、いわゆる「原発震災」の地獄絵図が脳裏を離れなくなりました。
実家に近いということもあって、ずっと東海村の核施設のことが気になっていましたし、浜岡や柏崎などアブナい立地条件の原発震災リスクに注目していたので、今回の福島第一原発の事故には正直なところ意表を突かれました。

私の頭の中では、地震の揺れによって原発が壊れて事故を起こすイメージが大半を占めており、津波が原発に対してここまで破壊的であるということを認識していなかったのです。
まさに想定外でした。
でもそれは私の無知と偏見の産物であって、広瀬隆氏を始め今回の事故のパターンをかなり正確に予測していた人は何人もいるし、状況を事後解釈すれば「さもありなん」という感じではあります。

いずれにしても私は、多くのフクシマの方々と同じように、長期的に故郷を喪失しました。高萩市の放射能汚染レベルはフクシマほどではありませんが、α線・β線・γ線を正確に計測して合計し、環境を汚染した核種や低線量被曝の害を正しく理解するなら、今後100年以上は人が住んでよい環境ではないと思います。

放射線は十分危険で有害なエネルギーですが、放射性物質から発せられる、科学的には計測不能な、放射線よりも忌まわしい霊的波動は不可逆的に私の先祖が800年以上暮らしてきた故郷の大地・風・水・あらゆる生き物の魂を汚染してしまいました。

放射性物質の除去だけでも相当難しい問題ですが、この霊的汚れは放射性物質を取り除いただけでは浄化されません。
減衰期は56億7000万年。

科学・宗教・医学・芸術・哲学・農学…人類のあらゆる知恵の粋を総動員して長期的に取り組んでも、解決するかどうかわからないという大難題です。

この圧倒的な困難に立ち向かうことが、建て替え・建て直しと呼ばれる、時代の大きな変わり目に生まれてしまった私たちの役目なのでしょうか。

道は果てしなく続いているように見えます。



下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-12 14:08 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新
◎傷ついた福島が立ち上がる日

――なぜ東京電力はそこまでの戦略を採ったと思われますか?

山口 東京電力は事故後も一貫して原子炉と原子炉行政を守ろうとしていたはずです。ところが、事故が技術経営のミスによる不作為で引き起こされたことが証明されれば、当時の社長をはじめ経営陣が刑事罰に問われます。
また、3月11日16時36分の原子力緊急事態宣言とともに原子力災害対策本部が置かれましたから、本部長である菅直人首相(当時)にも大きな責任があったはずです。場合によっては東京電力経営陣と共に刑事責任を問われることになりかねません。それだけは何としても避けたいので、技術のせいにしたのでしょう。
 繰り返しますが、本質は技術経営のミスです。私は、重大なミスを犯した東京電力の経営陣と彼らをサポートする国家の一部の人たちによって、福島に原発事故が落とされたと思っています。広島と長崎が原爆で粉みじんにされたように、原発事故は福島の街と人々の暮らしを粉みじんにしました。それなのに、まるで大した罪がないかのように東京電力を温存しようという風潮になっているのはおかしい。このままでは日本が世界から後ろ指をさされ、“ヘタレ”な国家になり果てることでしょう。
 だからこそ、まずは事故の本質に迫り、真実を明らかにすることが最優先課題です。それを国民に見せて、一人ひとりが福島の問題を我がこととして受け止めること。そのプロセスがなければ福島は立ち直ることができませんし、それこそが日本が“ヘタレ”から抜け出る唯一の方法でもあるのです。

――FUKUSHIMAプロジェクトの書籍にはこのほかにどういった内容が盛り込まれるのでしょうか。

山口 書籍は4章構成の予定です。第1章は震災当日から約2カ月の間に何が起こったかを明らかにします。第2章では事故以前の原発の位置づけなどを振り返り、第3章では事故のその後として事故収束のシナリオや補償問題に触れます。そして、第4章はメンバーそれぞれの専門性を生かした提言です。再生可能エネルギーの可能性や発送電分離、スマートグリッドなどについても論じます。
 今回の原発事故では「国や東京電力が発信する情報を信じられない」という声が多数挙がりました。知りたい情報が直ちに発信されず、情報の透明性も保たれていないと、国民は今なお感じています。これは、国民が「正しくモノを見よう」としていることの現われではないでしょうか。不透明な部分も、未だ表に出てきていないことも包み隠さず教えて欲しい、我々はすべてを知りたいのだ――そんな国民の声に、誰かが応えなければなりません。3月末に“最後の砦”に気付いたとき、私はそう思いましたし、5月に超一級の情報戦略を見せつけられたときに改めてその思いを強くしました。
 FUKUSHIMAプロジェクトの書籍は広く一般の方々に読んでいただける内容を目指しています。「科学」の視点が入ると、それまで見えていなかった部分が明らかになります。福知山線事故の検証はまさに科学の力でした。FUKUSHIMAプロジェクトの書籍にもぜひご期待ください。

◎山口 栄一(やまぐち・えいいち)
>同志社大学大学院総合政策科学研究科教授、同志社大学ITEC副センター長。
>1955年福岡県生まれ。77年東京大学理学部物理学科卒業。79年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了、1984年理学博士(東京大学)。79年、日本電信電話公社に入社し武蔵野電気通信研究所基礎研究部に赴任。86年NTT基礎研究所主任研究員、90年同研究所主幹研究員。99年経団連21世紀政策研究所主席研究員、2001年同研究所研究主幹。2003年から現職。2006年から科学技術振興機構 研究開発戦略センター特認フェロー、2008~2009年ケンブリッジ大学クレア・ホール客員フェロー。主な著作として『JR福知山線事故の本質―企業の社会的責任を科学から捉える』(NTT出版、2007年)、『イノベーション 破壊と共鳴』(NTT出版、2006年)、共著『サイエンス型産業』(NTT出版、2003年)、『試験管の中の太陽』(講談社、1993年)など。


転載終了
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by asiakatasumi11 | 2011-10-09 16:38 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新
◎原発事故はなぜ起きた?

同志社大学ITEC副センター長・山口栄一教授に聞く

聞き手/文 林愛子
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110928/108520/?P=1 から転載


東京電力福島第一原子力発電所の事故は技術経営のミスに起因するもので、天災でも偶然でもなく、100%予見可能な事故だった――。同志社大学ITEC副センター長の山口栄一教授はそう指摘する。山口教授は現在「FUKUSHIMAプロジェクト 」の委員長として、技術経営の観点から原発事故の本質に迫る調査活動にあたっている。プロジェクトの目的は特定の利害関係に捉われることなく第三者の立場で事故を分析し、未来に向けた提言を発することだ。

――技術経営および理論物理の専門家として、今回の原発事故をどのようにご覧になっていたのかを教えてください。

山口 栄一(やまぐち・えいいち)
同志社大学大学院総合政策科学研究科教授、同志社大学ITEC副センター長
山口栄一教授(以下敬称略) 私は原発反対派でもなければ推進派でもないので、客観的に報道を見ていましたが、津波襲来とともに全電源を喪失して制御不能になったとの論調には違和感を覚えました。日本のエンジニアは所属する組織よりも、社会正義や倫理観で動く傾向が強い。「対策はこれで十分」と言われても、社会のために必要だと思えば“最後の砦”を用意するのがエンジニアです。そんな彼らが電源喪失と同時に制御不能に陥るような設計をするはずがないと思いました。その直感に従って調査を始めたところ、やはり“最後の砦”が見つかりました。

――それは何ですか?

山口 簡単に言えば、無電源でも一定時間原子炉を冷却できる仕組みがあったんです。1号機には炉の内側と外側の温度差で動く「隔離時復水器」が、2号機と3号機には隔離時復水器の進化版である「原子炉隔離時冷却系」がそれぞれ設置されていました。その結果、津波で電源を喪失した後も、1号機は約8時間、2号機は約63時間、3号機は約32時間、それぞれは冷却が続き、制御可能な状態だったと考えられます(※詳しくは日経ビジネスオンライン「見逃されている原発事故の本質」を参照)。
 いずれも稼働時間はほぼ設計通りであり、現場のエンジニアはそれが“最後の砦”だと知っていました。言い換えれば、やがて冷却が止まって原子炉が制御不能の状態に陥るとわかっていたのです。1号機の場合は毎時25tの水を入れ続ければ熱暴走を防げますが、貯水タンク内の淡水では到底足りません。豊富にあるのは海水だけ。もはや、海水注入以外の選択肢はなかったのです。

福島第1原発1号機の圧力容器と配管構造。2-3号機では、隔離時復水器(IC)の代わりに隔離時冷却系(RCIC)が装着されている。いずれも電源なしで作動する(提供:山口教授)

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●12345廃炉の判断が遅れたために事態が悪化

――実際に1号機への海水注入が始まったのは3月12日午後7時過ぎ。制御不能の状態に陥ってから、さらに20時間が過ぎていたことになります。これほど意思決定が遅れた理由は何だったのでしょうか?

山口 海水を注入すれば、廃炉になるからです。現場判断で海水を注入できたとも言われていますが、それはどうでしょうか。もし海水を入れて廃炉になったとしたら、その人物は懲戒免職となり、何百億円、何千億円もの損害賠償請求を受けることになるでしょう。そんな大きな経営判断に対して責任を負えるのは経営陣をおいてほかにいません。
 そう考えると、意思決定に必要なすべての情報は勝俣恒久会長や清水正孝社長(当時)をはじめとする経営陣のもとに届いていた、と見るのが自然です。ということは、海水注入までの20時間、経営陣は廃炉の判断を躊躇していたことになります。ほかに選択肢はなく、判断が遅れれば制御不能になることは100%予見可能でした。しかも、1号機のみならず、2号機と3号機でも海水注入までにはかなりの時間を要しています。これは明らかに刑法上の不作為にあたり、東京電力の経営責任は極めて重いと考えます

福島第1原発1-3号機における格納容器の圧力と原子炉の水位の経時変化(3月11日0時00分から3月15日0時00分まで)。格納容器の設計耐圧は、1号機の場合4.2気圧、2-3号機の場合3.8気圧。また、原子炉の水位は、0m以下になると炉心が水面の上に露出していることを意味する。青い領域は、隔離時復水器(1号機)ないし隔離時冷却系(2-3号機)が働いていたと推測される時間域。なお、3号機については、3月12日19時以降3月13日13時まで原子炉の水位データが欠落しているものの、「4時15分 有効燃料棒頂部まで水が減少」という官邸情報があるのでこの情報を用い、2号機のふるまいから推測した水位を、破線で示した(提供:山口教授)

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――当時から海水注入のタイミングが遅いとの指摘はありましたね。

山口一部ではベントにてこずったせいだとも言われていますが、原子炉には消火設備用のラインがあるので、少なくとも水を入れることはできたと思われます。現場のエンジニアはおそらく、淡水の後は即座に海水注入だと考えたでしょう。人間には放射性物質の半減期を制御することができないのですから。
 原子炉は最後の砦が動いているうちは解決手段は“こちら側”にあったのに、海水注入の決断が遅れたために、人類の手に負えない“向こう側”に行ってしまったのだと思います。事故原因としては非常用ディーゼル発電機の設置環境や津波対策の不備なども指摘できますが、いずれも決定打ではありません。本質は、制御可能なものが制御不能になることの意味を理解できなかった経営陣による技術経営のミス。そう思い至ったとき、2005年に起きたJR福知山線事故と同じだと思いました。

●福島第1原発事故の発生と進展の経緯 (1号機、2号機、3号機)。青い領域は、隔離時復水器(1号機)ないし隔離時冷却系(2-3号機)が働いていたと推測される時間域(提供:山口教授)100%予見可能な事故がなぜ起きた?

――福知山線事故も技術経営のミスだったのでしょうか。

山口 福知山線事故は当初、速度超過による脱線事故だと報じられました。しかし、脱線であれば内側に倒れるはずの事故車両がカーブの外側に倒れていたので、これは遠心力で転がる転覆事故ではないかと思いました。脱線は不確定要素が多くて予測できませんが、転覆は予測ができます。さっそく理論計算してみると、あのカーブは時速106kmで必ず転覆することがわかりました。事故は100%予見可能だったのです。にもかかわらず、JR西日本は何ら対策をとっていなかったばかりか、時速106kmという転覆限界速度の計算すらしていませんでした。明らかな技術経営のミスです。
 事故から2年後、私は被害者女性との共著『JR福知山線事故の本質』を出版し、事故調査委員会の委員に送りました。彼らが出す最終報告書は警察が唯一の鑑定書とするくらい重みがあるので、そこで経営陣の責任に触れてくれたら、被害者への賠償が手厚くなるだろうと期待したのです。しかし、事故調査委員会は経営責任には触れず、死亡した運転士のせいだと結論付けました。
これでは交通事故程度の賠償内容になってしまいます。このままでは正義が廃ると思いました。
 そこで私はただちに福知山線事故に関するシンポジウムを開催し、書籍に書いたとおり、経営陣に責任があると訴えました。そのとき最前列で講演を聞いていたのが兵庫県警の刑事さん。捜査のために会場まで足を運んでくださったのです。それを境に経営陣への捜査が進み、ついには当時の経営陣8人が起訴されるに至りました。彼女との共同で書いた書籍が警察を動かし、司法をも動かしたのですから、感慨深いものがあります。

――先生が委員長を務める「FUKUSHIMAプロジェクト」でも、書籍を刊行するそうですね。

山口 「FUKUSHIMAプロジェクト」は第三者の立場から事故の本質を明らかにし、未来への提言と共に国民の前に提示することを目的に、3月に発足しました。代表発起人である松下電器産業(現・パナソニック)元副社長の水野博之さんをはじめ、法曹界や電力業界、原子炉工学やエネルギー問題、技術倫理、風評被害など、さまざまな分野に通じたメンバーがプロジェクトに加わっています。11月には調査結果を書籍として刊行するほか、ダイジェスト版を無料配信する予定です。
 事故調査レポートは東電福島原発の事故調査・検証委員会や東京電力も発行するでしょうし、専門家や有識者による書籍も多数出ると思います。しかし、原発は国の制度設計に則って電力会社が運用し、国の一部機関がサポートする仕組みですから、国も東京電力も当事者です。事故調査委員会もある種の官製組織です。事故を客観的に分析し、国民に誠意をもって事実を伝えられるのは我々のような組織だけなのです。
FUKUSHIMAプロジェクトは賛同者からの寄付を原資に活動します。余剰金が発生した場合は被害者救済のための義援金とし、我々メンバーは無報酬で印税も受け取りません。それゆえに、特定の団体や組織の影響を受けることも、書籍の市場性を意識することもなく、純粋に事故の本質を探究できるのです。

●超一流の巧妙なプレスリリース

――寄付を募るという珍しいスキームを使ってでも、第三者の立場にこだわる理由をもう少し詳しく教えてください。

山口 先ほどお話しした、“最後の砦”や廃炉の判断の遅れ、技術経営のミスといったことを最初に発表したのは、5月13日発刊の雑誌とウェブ媒体でした。おかげさまで予想以上に多くの方の目に止まったようで、さまざまな感想や質問を送っていただきましたから、これで一つの役割を果たしたと思っていたのです。 ところが、その2日後の5月15日、東京電力は記者会見を開き、原子炉の水位や格納容器の圧力などのデータを突如として発表します。翌朝の新聞記事には「津波の直後からメルトダウンは始まっていた」「東京電力が燃料溶融の事実をついに認める」というような内容の見出しが躍りました。各社の記事を総合すると、前日の会見は「地震の後に1号機の水位が低下」「地震で水漏れにつながる傷が出来た可能性がある」「翌朝には水位低下で燃料棒が一部露出」「淡水を入れても水位は上がらず、露出した燃料が溶融」という内容だったようです。
 報道各社はメルトダウンのことばかり取り上げましたが、この会見で東京電力が言わんとしていたのは「事故原因は地震で原子炉が破損したこと」です。事故は技術的な問題だったと主張することで、「技術経営のミス」という私の指摘を葬ろうとしたのだと思います。
 その後、件のプレスリリースを見て、私は改めて驚きました。水位や圧力のデータはすでに発表されていたものと大差ないのですが、グラフには小さな文字で留意事項が書かれていました。内容を要約すると「計測器は地震や津波などの影響で正しく動作していない可能性があるから、このデータは実測値ではなく、複数の情報をもとに計算したもの」。ほかにも「仮定」「推定」「暫定解析」といった条件が随所に書かれていました。よって、公表されたデータは嘘ではない。しかし、事実でもない。それなのにプレスリリースを見た記者は「あれほどの災害だから、シミュレーションデータしか求められないのは仕方ない」と理解して記事を書いたのだと思います。
 私は東京電力の超一級の情報戦略を目の当たりにして、背筋が凍る思いでした。このとき改めて、我々が正しい情報を発信しなければならないと、強い使命感を感じました。


②へつづく
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by asiakatasumi11 | 2011-10-09 16:37 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新
1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故によって世界中にまき散らされた大量の放射性物質は、風に乗ってまず1000Kmほど離れたスウェーデン上空へ流れていきました。
その時に運悪く雨が降っていた地域では、濃厚な放射性物質が土壌を汚染することになったのです。

スウェーデンの一部の地域では農地や牧草、家畜の飼料が放射能に汚染されました。何も対策を施さなければ、それを食べた家畜の肉や牛乳が汚染され、それがそのまま店頭に並ぶ恐れがありました。迅速な対応が求められましたが、当時は原発事故による農業汚染への対策が不十分で、関係者や専門家も戸惑い、時として相反するアドバイスがなされるなどの混乱もあったそうです。

スウェーデン政府(放射線防護庁と食品庁)は一般の食料品の放射能汚染の上限を300ベクレル/kgと定めたのに対し、乳業業界はそれよりもはるかに厳しい30ベクレル/kgという自主基準値を設けていました。

(恥知らずな日本の乳業業界は彼らの爪の垢を煎じて飲むべきでしょう。)


スウェーデン政府が講じた対策の中で、クレイを家畜に食べさせることで放射性物質の体内除染に非常に大きな成果を上げた記録が残っています。


チェルノブイリ事故後にスウェーデンが取った汚染対策(その1)

http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/4eb0113672b0e2a129f632e0b58b2493

出典:スウェーデンの防衛研究所・農務庁・食品庁・放射線防護庁・農業大学が共同で発表している『放射性物質が落下した場合の食品生産について』(Livsmedelsproduktionen vid nedfall av radioaktiva amnen )より

当局は家畜の飼料にセシウムを吸着する添加物(ベントナイト )を加え(体重1kgあたり0.5~2g)、胃腸からセシウムが家畜の体内に取り込まれないようにするなどのアドバイスを行いました。


【ベントナイトとは】

ベントナイトとは海底や湖底に堆積した太古の火山灰や溶岩が、長い年月をかけて変容して出来た粘土鉱物の一種です。

「ベントナイト」という名称は、岩石名(鉱物集合体の総称)であり、その構成成分は産地によって異なります。

ベントナイトはモンモリオナイト(珪酸塩鉱物)を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいますが、モンモリオナイトの持つ特異的な物性がそのままベントナイトの物性となっています。

ベントナイトの物性としては膨潤性・増粘性・粘結性・吸水性・吸着性・懸濁安定性・陽イオン交換性・チクソトロピー性などが挙げられます。

◎Na型とCa型の違い

Na型: 特に膨潤性・増粘性・懸濁安定性に優れている。


Ca型: 特に粘結性に優れている。


※ひもろぎ庵が推奨している国産モンモリオナイトはNa型です。


ベントナイトは熱的安定性に優れており、常温での性能の劣化はありません。分子構造的には約400℃までは安定的だと言われています。


スウェーデンで行われた実験では、羊の飼料(干草)にはベントナイトを10%含有させ、豚や鶏の飼料(穀類)にはベントナイトを5%含有させて与えた場合に、肉や卵に含まれるセシウムの量がどれだけ変化するかを調べています。

羊では86%、豚では65%減るのに対し、鶏では減少率が低くなっています。

また、ここには示されていませんが、乳牛であればベントナイトを飼料に加えることによって、牛乳に含まれるセシウムの量が最大80%減少したそうです。



<屠殺に先駆けて汚染のない飼料に切り替える>

40日間飼育して屠殺した鶏の胸肉に含まれるセシウムの量を比較した場合

Ⅰ:放射性セシウムに汚染された飼料(セシウムの量は400ベクレル/kg 以下同様)に、ベントナイト粘土を添加(5%)して飼育中ずっと与えた。

⇒約105ベクレル/kg


Ⅱ:放射性セシウムに汚染された飼料に、ベントナイト粘土を添加せずに、飼育中ずっと与えた。

⇒約155ベクレル/kg

Ⅲ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の5日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約95ベクレル/kg


Ⅳ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の10日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約60ベクレル/kg


Ⅴ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の15日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約30ベクレル/kg


Ⅵ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の20日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約15ベクレル/kg



これらの結果からクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)の家畜に対する体内除染効果は非常に顕著であることがわかります。

家畜と同じ哺乳類あるいは脊椎動物である人類にも、同様の効果があると考えてよいでしょう。

私たちが食べる野菜や穀物は土から養分を吸収して成長します。

家畜はそれらを餌にして成長します。

海産物は国土から海に流れ込む栄養分や、それらを餌にする微生物や植物や海洋生物などを食べて成長します。

つまり私たちの肉体を構成する栄養分(食物)の源は国土(お土)にあり、私たちの肉体は国土(お土)によってできていると言っても過言ではありません。

内服用のクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)は国産が望ましいのはそのような理由からです。

この尊い母なる国土(お土)を放射能で汚した東京電力株式会社や原発推進派の罪科は万死に値します。

「身土不二」の本当の意味は、自らが生きている国土を畏敬と感謝をもって食することによって癒され、生かされることにあるのだと私は理解しています。



下山田吉成
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by asiakatasumi11 | 2011-10-07 15:42 | 放射能デトックス 放射能体内除染