「一地球人としての下山田吉成」のブログです。


by SIMON
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ウラン採掘による放射能汚染の脅威

ウラン採掘による放射能汚染の脅威を明らかにしたドキュメンタリーを紹介します。


「イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘」



(以下転載)

原子力発電の燃料として使われるウランが、鉱石採掘の段階で処理不可能な放射性物質を大量に発生させている事実を、世界各地のウラン採掘現場への5年間に渡る取材により明らかにした衝撃的なドキュメンタリー映画である。3.11以降脱原発を決意・宣言したドイツから全世界に発せられた、現代の黙示録。
2012年1月 渋谷・アップリンクにてロードショー!

(転載終了)


日本もかつては岡山県人形峠でウラン採掘をしていた時期があります。

以下はこの問題について書かれた小出裕章氏の論文を参考にまとめてみたものです。


人形峠のウラン鉱山は現在は廃坑になっていますが、約8万5000トンの鉱石を掘って、約85トンのウランを得たそうですので平均的品位は約0.1%だったことになります。

100万KWの原子力発電所1基を1年間動かすためには、天然ウランが190トン必要なので、人形峠で10年かけて採掘されたウランは、1基の原子力発電所が稼働するための必要量の半年分にも満たないものでした。

一方、周辺に野ざらしにされた残土(捨石)は約100万トンに達し、残土堆積場に入れば放射線業務従事者ですら被曝が許されないほどの空間線量が計測されるそうです。
その上、野ざらしにされているこれらの残土は風雨にさらされながら崩壊し、山から沢沿いに集落のある下流に汚染を広げていっているという憂慮すべき状況にあります。

ウラン鉱山がもたらす被曝には2種類あります。1つは採掘に従事する労働者の被曝であり、もう1つは掘り出した鉱石、鉱滓および残土による環境汚染からの被曝です。

ウラン鉱山労働者には古くから肺の病気が多発し、それが主に肺癌で、原因はラドンとその娘核種のポロニウムにあることも1930年代には明らかになってました。
ラドンはウランの娘核種の一つで、気体であるため、ウランを掘り出してしまえば容易に空気中に気化して、呼吸によって人体に取り込まれてしまいます。特にウラン鉱山の坑道にはラドンが充満し、多くの労働者に肺癌を引き起こしたのでした。人形峠のウラン鉱山坑内は、国際的な基準の1万倍ものラドン濃度であったことが残された記録によって明らかになっており、暫定的な評価によれば肺癌の犠牲となる労働者は70名に及ぶそうです。

またウラン自身の半減期は約45億年で、仮に製錬によって鉱石の中から完璧にウランを取り出したとしても、残りの鉱滓にはトリウム230から鉛206までの娘核種がすべて含まれています。トリウム230の半減期は80万年という長さです。

ウランを掘り出す限り、人類は永遠と呼んでも差し支えないくらいの長きにわたって、これらの放射能による脅威を受け続けることになるわけです。

残土の堆積場では、放射線作業従事者でも被曝が許されないほどの空間γ線が測定され、半ば崩れた坑口付近では放射線取扱施設から敷地外に放出が許される濃度の1万倍ものラドンが測定されています。そしてそれらのラドンは、風に乗ってすみやかに堆積場外に汚染を広げ続けているのです。

ラドンは仮にそれを吸入したとしてもすぐに体外に排出してしまうので、被曝としては大きな脅威になりませんが、問題はラドン娘核種の中に存在する最凶のα線放出核種ポロニウム(Po-218,Po-214)です。人間がこれらの核種をラドンとともに吸入すると、それらの核種は肺に沈着しα線による局所的な被曝を与えることになります。
ポロニウムの放射能はウランの100億倍というとてつもなく強力なものです。

100万KWの原子力発電所を半年運転させるにも足りないウランしか生み出さなかった人形峠ウラン鉱山周辺には、ドラム缶に詰めれば225万本相当の残土が野ざらしにされているのです。

原子力産業がもたらす利益があるとしても、想像できないくらい長期間続く環境汚染や世界規模の深刻な健康被害のリスクに比べれば、比較にならないほど僅かなものなのです。


●ウラン採掘と人形峠旧ウラン鉱山
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Ningyo-toge/Ugoki.html
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by asiakatasumi11 | 2012-01-13 21:02 | 放射能汚染 放射線障害 食の安全