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「一地球人としての下山田吉成」のブログです。


by SIMON
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ストロンチウム登場

横浜市で福島市内の計測値の2倍以上にあたる高濃度のストロンチウム90が検出されました。

横浜市は当初ストロンチウムは「重いので飛んでこない。費用も高い」と検査をしようとしなかったそうですが、しっかり飛んで来ていたようです。

◎横浜でストロンチウム検出 100キロ圏外では初
10月12日 03:34

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110120281.html?s=a1

(転載開始)
 横浜市港北区のマンション屋上の堆積(たいせき)物から、195ベクレル(1キロあたり)のストロンチウムを、民間の分析機関が検出した。東京電力福島第一原発事故で放出されたとみられ、結果の報告を受けた横浜市は、再検査を始めた。
 検出されたのはストロンチウム90(半減期約30年)。文部科学省の調査では福島県内や宮城県南部など福島第一原発から100キロ圏内で検出されているが、約250キロ離れた横浜市内では初めて。
 場所は築7年の5階建てマンション屋上。7月、溝にたまった堆積物を住民が採取し、横浜市鶴見区の分析機関「同位体研究所」で測定した。放射性物質が蓄積しやすい条件とみられるため単純に比較できないが、4~5月に福島市内の土壌から検出された77ベクレルと比べても高い値だ。
 同じ堆積物からは6万3434ベクレル(1キロあたり)のセシウムも検出。私有地であることを理由に公表していないが、市衛生研究所でのセシウムの再検査でも、同じ堆積物から10万5600ベクレルが検出された。
 市は当初、「重いので飛んでこない。費用も高い」とストロンチウムの検査には後ろ向きだったが、10月上旬、屋上の分に加えマンション周辺の側溝の堆積物などを同位体研究所に持ち込み、検査を依頼した。市は「高い値だったので再検査を決めた。結果を見て対応を決めたい」としている。
 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんは「ストロンチウムが離れた場所に飛ぶのは分かっていた。原発事故に伴い、横浜で検出されても不思議ではない。値は高いが、高濃度のセシウムが出ている場所なら納得できる。濃縮されたのだろう」と話している。
 ストロンチウムは化学的な性質がカルシウムに似ていて水に溶けやすく、骨にたまりやすい。(佐藤善一)
■朝日新聞社

(転載終了)


「重いので飛んでこない」はずのプルトニウムも検査した方が良いのではないでしょうか。プルトニウムはホットパーティクルと呼ばれる大腸菌並みの微粒子となってかなり遠方まで到達することが知られています。既にハワイやシアトルで検出されたという報告例があります。


原発事故が起きた場合は、健康に重大な悪影響がある核種を優先的に調べるのが当然であるはずなのに、日本政府は福島第一原発事故直後にプルトニウムとウランを水道水の検査対象から真っ先に外すという暴挙にでました。
おそらく優秀な脚本家的人物(たぶん官僚)が政府の中枢にいるのでしょう。
このことは前から繰り返し書いていますが、国民が放射能汚染に慣れた頃合いを見計らって「実は」と、アブナい核種による汚染の事実を小出しに発表するという見え透いた手口なのです。でも今の日本人に対しては何度でも何十回でも、きっと永遠にでも通用するスタンダードな戦略なのでしょう。実際にこの方法論は大昔からずっと成功しています。ここまでバカにされているのに気付かないようでは、今後日本人が生き残ることは難しいかもしれません。

予測されるシナリオによれば、プルトニウムやウラン、アメリシウムなど毒性が強い横綱級の核種による汚染が公表されるのは一番最後です。大相撲と同じで弱いものが先に、強いものが後から登場するのです。なぜなら原子力政策は大相撲と同じ八百長だからです。

大関クラスのストロンチウムが登場したことで、プルトニウム汚染の発表が近づいたのは事実ですが、発表された時にはほとんど全てが手遅れでしょう。

今回横浜市でストロンチウム90が検出されたということは、少なくとも東北から関東までは相当量のフォールアウト(降下)があったということです。つまり、これまで私たちが摂取してきた飲食物もストロンチウム90で汚染されていたわけです。

ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が似ているため、体がカルシウムと間違えて骨に蓄積することがわかっています。特に土壌中のカルシウムが比較的少ない日本では、食生活においてカルシウムが不足しがちな背景があるため、ストロンチウムを取り込みやすい状況にあります。その結果、骨ガンや白血病が多発する可能性が高いと考えられています。

「重いので飛んでこない。費用も高い」などという信じられないくらい無知で非人間的な理由、あるいは確信犯的な故意によって検査を実施してこなかったためにわかっていないだけで、現在流通している食料や飲料水(ストロンチウムは水に溶けやすい)にもストロンチウム90が間違いなく含有されています。
しかも体内に入ると血液に溶けてしまうため、ホールボディカウンターでは検出できないそうです。

したがって何度も言うように、このような状況下で福島県や宮城県の米が放射性セシウムに関して500ベクレル/kg以下だから安全だと言って合法的に出荷させるのは、よほど低能かほとんど気が狂っている人間の仕業としか言いようのない凄まじい罪過だということを認識する必要があります。
(このことについての詳しい説明は、10月2日に投稿した「暫定基準値の正体・宮城県産米も危険です」をご覧下さい。)

◎福島知事、県産米「安全宣言」 二本松産一部は買い上げ
10月13日 01:32

http://www.news-ex.jp/a/story/news/national/KTT201110130048.html?s=a1

(転載開始)

 コメの放射性物質検査を進めていた福島県は12日、今年の県産米の検査を終え、すべてで放射性セシウムが国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を下回ったと正式に発表した。これでコメを作付けしている全48市町村で出荷が可能になり、佐藤雄平知事は「安全宣言」をした。

(転載終了)

あれだけ濃厚な放射性物質を大量に放出して福島県中を汚染したのに、米が大丈夫であるはずがないでしょう。どうしてわからないのかとても不思議です。海外ではこの有り様を、イソップ寓話を見るように眺めているのではないでしょうか。
そのくらい日本人が愚かで哀しい生き物に成り下がっていたことを、原発事故を通じてはっきりと実感しました。

皆さんが飲食している水・穀物・野菜・魚・肉・卵・牛乳などにはこれまでも、そして今現在も、放射性セシウムだけでなくストロンチウム90が確実に含まれています。どのくらい含まれているかは検査してみないことにはわかりません。計測もしないで「安全」だと主張する人には、誠意と科学性のかけらもないことを理解しましょう。

そして、悪徳政府の定めた基準値や愚かな知事の安全宣言などに惑わされず、放射能汚染とその他の化学的汚染(農薬や公害物質・食品添加物などの環境ホルモン)のできるだけ少ない、素性のはっきりした清らかで生命力に溢れた食物を入手するように心がけましょう。
それが生き残るために必要な、動かしようのない条件のひとつです。



下山田吉成
by asiakatasumi11 | 2011-10-13 12:11 | 脱原発 反原発 建て替え 建て直し 維新